FXはスワップのんびり〜中長期で見る為替相場〜

保護主義の台頭と円安

先週は北朝鮮による核実験と短距離ミサイル発射から始まり、東アジアにおける地政学的リスクの高まりによって円売りが強まり、ドル円相場は95円台に乗せたものの、大型の米国債入札を前に、入札が不調に終わるとの懸念や自動車大手ゼネラル・モーターズの破綻懸念から週前半にて上値は抑えられ、94円台後半から95円台半ばまでの狭いレンジを繰り返していた。

 

一方下値では、新規投信の設定に絡む思惑が相場を支え、その後 中国が米金融当局に対して米債の直接買い取りによる財政拡大に懸念を示したとの報道により米国債が軒並み下落、長期金利の上昇が実体経済に影響を及ぼすことから、ヘッジなどのドルショートを買い戻す動きが活発化し、一気に97円台まで反発、その後GM破綻の可能性が高まったことや米国債下落を受けて改めて 95円台前半に振り落とされるという忙しい相場展開となった。

 

欧州では、独金融当局が国内金融機関の不良債権増大の可能性を警告したとの報道により、ユーロが弱含む場面もあったが、指標の改善による景気回復期待と株価が堅調に推移したことで欧州通貨は反発に転じ、クロス円のサポートも相まって、対ドルで1.40台を回復した。
新たに設定された大型の外貨建投信の影響で、豪ドル円やNZドル円なども総じて堅調な地合いを維持していたことも先週の相場を動かした大きな要因と思われる。

 

米国の巨額財政出動への懸念

さて、先週の相場変動の材料を辿ってみると、景気底打ちに対する期待は徐々に高まってはいるものの、マーケットは巨額の財政出動から連想される信用不安の再燃を極度に警戒していることが窺える。
懸念された大型の米国債入札(2年債、5年債、7年債)は先週無事に消化したものの、将来の格下げへの不安は払拭できず、10年債価格は下落し、一時的にトリプル安となって、景気底打ち後の米国への信用不安という大きな問題を今後も平行して考えていく必要があると認識させられた。

 

資金の逃避先

このような不安定な値動きの中、先週は久しぶりに豪ドル、NZドルやカナダドルが強含みに推移した。
30ドル台で低迷していた原油価格はすでに60ドル台まで戻しており、景気に敏感な商品価格とともに、株価は上昇し、リスク志向の高まりもあって、資源国通貨に買いが入りやすい下地があったことに加え、将来的な米国への不安から、資金の避難先としても資源国通貨が見直されていることが、素直にマーケットに反映されている。

 

米国発の信用リスクは時間の経過と共に、世界的な問題に発展することは昨年9月に経験している。
現在は相対的に強含んで推移している資源国通貨だが、一方的な地合いは継続するものではないことを想定して対応していく必要があるだろう。